屋根と太陽熱温水器のタイプ
あなたの住まいの屋根や地域に応じて、適した太陽熱温水器のタイプがあります。
そこでここでは、屋根と住まいの地域に応じた太陽熱温水器選びを考えてみましょう。
まず温暖な地域と寒冷地では、利用できる太陽熱温水器の種類に違いが生じます。
温暖な地域では水を直接温める水だけを利用する太陽熱温水器が利用できます。
設置コストが低くメンテナンスもほとんど不要なので、お勧めです。
寒冷地では、不凍液を利用する太陽熱温水器を利用するのが基本となります。
多少設置コストは高くなりますが、冬季の凍結による機器の破損を避ける為には必要となるのです。
もちろん温暖な地域でも、不凍液を利用する太陽熱温水器は利用できます。
屋根の形や強さによっても、利用できる太陽熱温水器が限られる場合があります。
平らな屋根の場合は架台と呼ばれる、傾斜をつける台の上に太陽熱温水器の集熱部分を載せることになります。
そのまま置いても設置やお湯を作ることは出来るのですが、熱を集める効率が悪くなり、水はけも悪くなるので架台は必要です。
そこで傾斜をつけた架台を使うことで、効率よく太陽熱を集めるのです。
傾斜の付いた屋根に設置する場合は、簡単な架台を屋根に設置して、その上に太陽熱温水器を設置することになります。
いずれの場合も、屋根が太陽熱温水器の重さに耐えられることが必要となります。
屋根の強度が低い場合は、比較的軽い集熱部分だけを屋根に設置して、重い貯湯槽を敷地内に設置する分離型を利用することになります。
屋根の強度が十分な場合、屋根の向きがポイントとなります。
南に面する屋根があれば効率よく太陽熱を集められますが、東面や西面はかなり効率が落ちてしまいます。
南側に面する屋根があれば、一体型のコンパクトな太陽熱温水器でも十分でしょう。
東側や西側に設置する場合は、一体型を2つ設置したり、分離型で集熱パネルを増やした形で利用すれば十分なお湯の量を得やすくなります。
最近では集熱効率の高い太陽熱温水器もあるので、東側や西側の屋根に設置する場合はそんな機器を選ぶことも有効な選択肢となります。
利用できる太陽熱が少ない分、集熱面積や設置機器を増やすことで対応するのです。
片流れの屋根で北面にしか太陽熱温水器を設置できる屋根がない場合は、お湯を作る効率が相当悪くなります。
そこで架台を設置して傾斜を変えるか、他の場所への設置も検討する必要があるでしょう。
太陽熱温水器は、住まいの屋根や地域によって、適したタイプや必要な集熱面積が変わってくるのです。
一日に必要なお湯の量を設定して、その必要な量のお湯を作れる太陽熱温水器を選ぶことが大切なのです。
太陽熱温水器には設置に適した地域があるので、それを紹介しましょう。