地下室も地熱活用
地下室を作ると、部屋の温度が地上階の部屋よりも穏やかな室温となります。
地下2、3mに床面が来ることになるので、温度が安定した地中の温度に床や壁面が近くなります。
それで地中に近い、穏やかな室温環境となるのです。
地中の熱を常に利用していることになるので、広い意味では、地下室も地熱冷暖房を実践しているといえます。
特に暑い時期の地下室の涼しさは印象的で、場合によっては一番暑い時期でも、エアコンのクーラーは除湿程度で十分なくらいです。
地熱を最大限に生かした地下室を作るためには、深さと床や壁の作りがポイントです。
地下室が全て土に埋まって深さが3mくらいになると、地熱の安定した温度を最大限に活用できます。
半地下のような土に埋まっている部分が浅い場合は、地熱の効果が弱まり、室温の変化が大きくなってしまいます。
地下室は地面から水が漏れてくるのを防ぐ為に、2重の床や壁にする場合がほとんどです。
2重壁(床)の間に隙間があることで、土に接する壁や床から水が染み出してきても隙間を水が流れ、室内側の壁や床には影響が無いように作っているのです。
この隙間部分があることで、地熱による冷暖房効果も若干弱まってしまいます。
そこで地熱による地下室の冷暖房効果を最大限活用するには、隙間部分の通気を少なくすることがポイントです。
また室内側の壁や床には、熱を伝えやすい材料を使用することも考えましょう。
そして地上に面する天井や壁の上部などは、断熱性能を高めることが大切です。
外気に面する、ドライエリア部分などの断熱性能も高めておきましょう。
地中の熱を取り込みつつ、地上の温度変化の激しい部分は断熱することで、地熱の冷暖房効果を無駄なく活用するのです。
地下室では、除湿を行うことが重要です。
地中は湿気が溜まりがちなので、エアコンの除湿機能などを活用して、室内を適度な乾燥状態に保つことが必要となります。
隙間が少なくなるので、換気も大切です。
現在作られる住まいには24時間換気が必ず付きますが、隙間が少ないので余裕を持った換気計画とすることがポイントとなります。
地下室は、地熱による冷暖房をシンプルかつ効果的に活用できる、エコロジーな部屋です。
設置にはかなりの費用がかかりますが、室温が安定しているので、特に夏の暑い時期には快適なスペースとなるのです。