地中利用の地熱冷暖房
地熱をそのまま冷暖房に活用する方式には、地表部分の地熱を利用するタイプと地中深い部分の地熱を利用するタイプがあります。
その中でも地中の熱を利用する地熱冷暖房方式にはどんな特徴があるのか、チェックしてみましょう。
地中深いの地熱を利用するタイプの地熱冷暖房は、安定した冷暖房効果を得やすいという点が大きな長所です。
地中深い部分の温度は16度程度で安定しているので、冷暖房に使用する部分の温度も安定しています。
そこで、安定した冷暖房効果を得やすいという特徴があるのです。
冷暖房の温度をコントロールしやすいところも特徴です。
送風機を使用するので、風量を調整すれば室内の温度をコントロールすることができます。
余った熱は基礎などに蓄熱しておけば、より安定した冷暖房効果が得られます。
送風機を利用して、室内の換気が行えるところもポイントです。
外気を取り入れて冷暖房を行えるので、換気も同時に行うことが可能なのです。
冷暖房の効果を安定してコントロールしやすいところが、地中深いの地熱を利用するタイプの地熱冷暖房の長所です。
しかし、やはり短所もあります。
一番の弱点は送風機が必要で、電気を使用してしまうことでしょう。
使用する電気代で考えれば少ないものですが、送風機の寿命もあるので、長い期間ではメンテナンスの費用が必要となります。
送風機やダクト、空気の出入口や地中に埋めるパイプなど、設置費用がかかる点も弱点といえるでしょう。
またダクトを使用するので、ホコリが溜まったり、結露などによってカビが発生してしまう可能性もあります。
ダクト内の掃除など、設置費用に加えてメンテナンスの費用もかかってしまいます。
また地中に埋めるパイプの数が少ない為に、期待した冷暖房効果が得られない可能性もあります。
地中に埋めるパイプはコストが高く、さらにパイプ同士を離して設置する必要があるので、通常の住宅では2、3本の設置となります。
設置するパイプの本数が少ないので、冷暖房に必要な熱が十分に得られない場合もあるのです。
長期間連続して使用すると、安定した地中の部分を利用していても、地中の温度が変わってしまうこともあります。
たくさんの風を長期間連続して送ると、パイプ廻りの地中の温度も変わってしまうので、冷暖房効果が減ってしまうのです。
しばらく放置すれば地中は安定した温度に戻りますが、その間は冷暖房効果が少なくなります。
また地下水に当たってしまうと水が溜まって使えなくなるので、パイプが埋まる深さまで地下水が無いことが設置の条件となります。
では自由な冷暖房が可能な地熱ヒートポンプ冷暖房について、ちょっと詳しく見てみましょう。