地熱ヒートポンプ冷暖房とは
地熱をヒートポンプで利用する地熱冷暖房方式は、基本的な動作はエアコンと同じです。
ファンを使って屋外の熱を汲み上げるエアコン室外機の代わりに、地中の熱の温度差を利用して熱を汲み上げ、室内の冷暖房として使います。
熱を取り込む熱交換器の部分がポイントで、細長いチューブ状の熱交換器や長いパイプ状の熱交換器を庭の地中に埋め込むことで地熱を活用します。
と文章で書いても原理はほとんど分かりませんし、仕組みを理解するのはかなり難しくなります。
大まかに言えば、空気の代わりに地熱を使ってエアコンを動かしていると考えれば良いでしょう。
ヒートアイランドの原因となるエアコンの室外機から出る熱が大幅に減るので、環境にやさしい冷暖房でもあります。
エアコンほどの電気代を必要としないで、エアコン同様の自由な冷暖房が行えるところが地熱ヒートポンプ冷暖房の特徴です。
特に冷房時には地中の冷たさを活用しやすいので、使用する電気代を大幅に減らすことが出来ます。
便利で使いやすい地熱ヒートポンプ冷暖房にも、やはり欠点があります。
エアコン同様な空調機器に加え、地中に熱交換器を埋める必要があるので、設置コストがかなり高くなります。
空調機器の部分も、一般的なエアコンと比べるとかなり高額となります。
他の地熱利用の冷暖房システムより複雑となるので、耐久性やメンテナンスの費用の点でも不利です。
設置や機器の維持費が高くなってしまうところが、地熱ヒートポンプ冷暖房の大きな弱点なのです。
冷暖房の廃熱を地中に戻すことになるので、地中に熱が溜まると冷暖房の効果が減ってしまいます。
地中利用の地熱冷暖房同様に、長期間連続して使用すると冷暖房が効きにくくなってしまうこともあるのです。
通常は、庭の地中に熱交換器を埋めることになります。
その為に埋めた部分は深く掘ることができませんし、大きく成長する樹木を近くに植えると根の成長によって熱交換器が破損してしまう可能性もあります。
冷暖房効果を高めようとして熱交換器をたくさん埋めると、庭が使いにくくなってしまうのです。
地熱の利用は、エコロジーの面で考えると非常に魅力的です。
しかし現時点では採用例が少なく、短所が問題となる場合も少なくありません。
地熱冷暖房を採用する際には各々の方式の特徴を知って、あなたの生活や地域の気候に適した方式を選ぶことが大切なのです。