気密性の確保と換気のポイント
ソーラーシステムを暖房として活用する為に、住まいの気密性を確保するポイントや換気を行う場合のポイントをチェックしましょう。
せっかく住まいの断熱性能を上げても、隙間風があってはせっかく蓄えた熱を逃がしてしまいますし、普通の換気扇では換気の際にも熱が逃げてしまいます。
そこで住まいの気密性を上げて、換気の際に逃げてしまう熱を減らすことが欠かせないのです。
住まいの気密性を高める方法としては、断熱材を隙間なく積める方法と隙間をなくす気密シートを貼る方法があります。
現場で発泡する断熱材は、断熱工事と気密工事を同時に行える優れものです。
断熱材を隙間なく充填することにもつながるので、断熱性能と気密性能を同時に満たしやすい工法なのです。
工事の手間としても、吹き付けて余分な部分を削り取るだけなので、比較的簡単です。
気密シートを貼る方法は、多くの断熱材に採用できるところが強みです。
断熱材を入れた後に、室内を覆うように気密シートを貼り込むので、断熱材の種類に影響を受けにくいのです。
ただ仕上げ材が気密シートの上に来る形となるので、柱を見せるような仕上げには適用できません。
もっとも発泡性の断熱材も、柱を見せる仕上げには採用しにくい材料ですから、同等ともいえます。
ソーラーシステムの暖房を利用する高断熱・高気密の住まいでは、柱を見せたい場合は付け柱と呼ばれる化粧材を貼り付けることになります。
住まいの気密性が高くなると、計画的に換気を行うことが欠かせません。
ガスコンロを使えばCO2が出ますし、IHヒータでも料理に焦げ目をつける際にはCO2が発生します。
さらに人がいれば呼吸でCO2が発生するので、部屋の空気が汚れる前に換気を行う必要があるのです。
幸い現在の新築住宅では24時間換気が必須となっていますが、逆にこの換気によってソーラーシステムで蓄えた熱が外に漏れてしまうのです。
その熱漏れを最小限に減らす為には、熱交換型と呼ばれる換気扇を使うことがポイントとなります。
熱交換器型換気扇は、換気の際に外に排出する空気の熱を、外部から取り入れる空気に取り込むことで、本来失うはずの熱の70パーセント程度を回収することが出来ます。
つまり換気で失うはずの熱を30パーセント程度に抑えることが出来る、省エネ効果の高い換気扇です。
ソーラーシステムによる暖房を行う住まいには、熱交換型換気扇は必須ともいえる換気装置なのです。