地熱冷暖房の概要
地下5mくらいの深さの地中は、1年を通して16度程度の安定した温度を保っています。
地熱冷暖房は、その1年中16度程度と安定した地中の温度を、住まいの冷暖房として活用する空調システムです。
気温が30度くらいまで上がる夏の時期は、冷房温度として目安となる26度程度に対し、16度となる地中の温度を利用すれば、冷房にかかる光熱費を大きく削減できます。
目安の室温との温度差が大きくなる冷房時期は、特に効果が高くなります。
冬の10度まで下がった気温でも、16度の地中温度は利用出来ます。
冷房と違って目標温度の20度には及びませんが、朝の冷え込みを緩和したり、暖房を補助する効果があります。
地熱冷暖房は、夏と冬どちらの季節にも光熱費削減の効果がある空調システムなのです。
現在の代表的な地熱冷暖房は、住まいの基礎の真下に5mほどのパイプをまっすぐ地下に埋め込み、安定して16度くらいの温度となっている部分の温度になった空気を送風機で住まいに取り込みます。
その空気を部屋に取り入れることで、室内の温度を下げるシステムです。
パイプに屋外の空気を取り入れ、地中に近い温度の空気にしてから室内に取り入れることで、換気を行いながら地熱空調を行います。
パイプの代わりに地面の基礎全面を利用したり、地熱の温度差をヒートポンプで利用する空調システムもあります。
クールチューブと呼ばれる長いパイプを、地下3mほどに埋め込む方法もあります。
まだ一般的ではない冷暖房方式なので、定番となりうる方法を模索している状態ともいえるでしょう。
地熱冷暖房のメリットは、送風機の電気代だけ(季節によっては除湿機や補助暖房などを併用しますが)で冷暖房が行える点です。
熱は地中から得ることができるので、空気を暖めたり冷やしたりするエネルギーを大幅に減らせます。
そのため光熱費を減らすことが出来る、エコロジーな効果が高い空調なのです。
では地熱冷暖房に必要な装置について、ちょっと詳しく見てみましょう。