平板型と真空管型
太陽熱温水器に使用される集熱器には、平板型と真空管型が主に利用されます。
集熱器の表面には、太陽光の赤外線エネルギーの吸収効率を上げるために特定の波長での吸収を高めた選択吸収膜が施される場合があります。
また集めた熱の損失を防ぐため、集熱管の周りを赤外線を反射する選択反射膜でコーティングする場合もあります。
ここでは、集熱器の平板型と真空管型の違いをチェックしましょう。
太陽熱温水器の集熱器には、平板型と呼ばれる集熱器が良く使われています。
熱を吸収しやすい黒色の平面を作り、温まった面に水などを通すことで熱を集めます。
裏面を断熱することで、熱の吸収効果を高めています。
作りが簡単なので製造コストが安く、電源が要らない自然対流式と電源が必要な強制循環式の両方で利用されています。
熱の損失が大きめなので熱利用の効率は若干落ちますが、設置費用を抑えられるところが大きな利点となります。
真空管型の集熱器は、内部を真空にしたガラス管の中に熱媒を通す管と集熱板を設けた構造を多数並べた集熱器です。
熱の損失が少なく、熱利用の効率が高いという特徴があります。
同じ大きさの週熱器でも、より多くの(より温度が高い)お湯を作ることが出来るのです。
ただ熱媒は強制循環させる必要があるので、電源が必要です。
また作りが複雑で精密になるので、設置費用が高くなるのも弱点ともいえます。
真空が破れると熱効率が極端に悪くなるので、作ることが出来るお湯が極端に少なくなったら点検が必要でしょう。
太陽熱温水器に使用される集熱器は、平板型が一般的です。
機器のコストが安く出来るので、設置コストを回収しやすくなります。
しかし同じ大きさでよりたくさんのお湯を作りたいなら、真空管型の集熱器が有利です。
設置コストは高くなりますが、同じ面積でも効率よくお湯を作ることが出来ます。